メモリのDDR5とDDR4の違いとは?|DDR5がそれほど速くない理由

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現在主流のメモリの規格には「DDR5」と「DDR4」の2つがあります。

どっちを選んだら良いか迷ってませんか?

最初に大事な事を言っておきます。

DDR5メモリを選んでも

体感できるほどの速度差はありません

現状ではDDR5とDDR4のどちらを選んでもOK。

では、具体的にDDR5とDDR4は何が違うのか、詳しく解説します。

目次

ゲーミングPCはグラボのメモリ(GDDR)が重要

結論から言うと、ゲーミングPCの場合はメインメモリの選択がゲーム性能に与える影響はごくわずかです。

ゲームの描画処理は主にグラフィックボード上のGDDR(GDDR6、GDDR6X、GDDR7など)という専用の高速メモリが担っています。GDDRはメインメモリ(DDR4・DDR5)とは桁違いの転送速度を持っており、ゲーム中のテクスチャ転送やフレームバッファの処理はほぼGDDR側で完結します。

つまり、メインメモリをDDR4にするかDDR5にするかよりも、グラフィックボードにどのGDDRが積まれているかの方がパフォーマンスへの影響ははるかに大きいということです。

実際にDDR4とDDR5、そしてGDDR5〜GDDR7までの転送速度を並べて見てみましょう。

スマホは横スクロールできます→

規格名 転送速度 備考
DDR4-3200
51.2 GB/s
PC4-25600 / シングル: 25.6 GB/s / デュアル: 51.2 GB/s / デュアルチャネルが基本 / DDR5が台頭する前の主流規格
DDR5-4800
76.8 GB/s
PC5-38400 / シングル: 38.4 GB/s / デュアル: 76.8 GB/s / デュアルチャネルが基本 / DDR5 標準 / BTO定番
DDR5-5600
89.6 GB/s
PC5-44800 / シングル: 44.8 GB/s / デュアル: 89.6 GB/s / デュアルチャネルが基本 / Intel 標準定格
DDR5-6400
102.4 GB/s
PC5-51200 / シングル: 51.2 GB/s / デュアル: 102.4 GB/s / デュアルチャネルが基本 / OC下限帯
DDR5-7200
115.2 GB/s
PC5-57600 / シングル: 57.6 GB/s / デュアル: 115.2 GB/s / デュアルチャネルが基本 / AMD 定格上限
DDR5-8000
128.0 GB/s
PC5-64000 / シングル: 64.0 GB/s / デュアル: 128.0 GB/s / デュアルチャネルが基本 / ハイエンドOC
GDDR5(128bit)
192 GB/s
GPU専用 / GTX 1060など
GDDR5(256bit)
256 GB/s
GPU専用 / GTX 1070・RX 580など
GDDR6(128bit)
272 GB/s
GPU専用 / RTX 4060・RX 7600など
GDDR6(192bit)
504 GB/s
GPU専用 / RTX 4070・RTX 3070など
GDDR6(256bit)
640 GB/s
GPU専用 / RTX 3080・RX 9070 XT など
GDDR6(384bit)
960 GB/s
GPU専用 / RX 7900 XTX など
GDDR6X(192bit)
504 GB/s
GPU専用 / RTX 4070 Ti・RTX 3070 Tiなど
GDDR6X(256bit)
716 GB/s
GPU専用 / RTX 4080・RTX 4080 SUPERなど
GDDR6X(384bit)
1,008 GB/s
GPU専用 / RTX 4090 など
GDDR7(128bit)
456 GB/s
GPU専用 / RTX 5060など
GDDR7(192bit)
672 GB/s
GPU専用 / RTX 5070・RTX 5060 Tiなど
GDDR7(256bit)
960 GB/s
GPU専用 / RTX 5080・RTX 5070 Tiなど
GDDR7(512bit)
1,792 GB/s
GPU専用 / RTX 5090 など

速度差かんたん計算

VS

表を見るとわかるとおり、メインメモリ同士(DDR4-3200 〜 DDR5-8000)の速度差はデュアルチャネル時でせいぜい2〜3倍程度ですが、ビデオメモリ(GDDR5 128bit 〜 GDDR7 512bit)になると最大で約35倍もの開きがあります。グラフィックボードの世代やグレードによる性能差は、メインメモリの規格選びとは比較にならないほど大きいのです。

メモリはスロット2本を使うデュアルチャネル動作が基本で、1本のシングルチャネルと比べて帯域幅がほぼ2倍になります。デスクトップPCやBTOパソコンでは通常2枚1組で販売・搭載されているため、表の速度はデュアルチャネル時の値で見るのが実態に近いです。

ゲーミングPCを選ぶ・組む際は、メインメモリの規格にこだわるよりも、予算の許す範囲でグラフィックボードのグレードを上げることを優先したほうが、体感できる効果は大きくなります。

ただし、これは単体のグラフィックボードを搭載したゲーミングPCの場合の話です。

Ryzen AI Max(Radeon 890Mなど)やIntel Core Ultraの内蔵GPUのように、専用のGDDRメモリを持たないCPUを使う場合は話が変わります。これらの内蔵GPUは映像処理にメインメモリを共有して使うため、メインメモリの速度がそのままグラフィック性能に直結します。

つまり、こうした内蔵GPU機を選ぶ場合は、できるだけ高速なDDR5メモリ(DDR5-6400以上など)を選んだほうが、ゲーム性能の底上げにつながります。専用グラフィックボードを積んだPCとは逆の判断が必要になるので注意してください。

GDDR以外の転送速度(USB・NVMe・Wi-Fiなど)が気になる方は、以下の記事で一覧比較できます。

DDR5とDDR4の違い

まずは基本的な事をサクッとまとめます。

  • 互換性と物理的な違い
  • 価格の違い
  • 電圧の違い
  • メモリクロックと帯域幅の違い

互換性と物理的な違い

DDR4とDDR5は同じ288pinですが、内部仕様が違うため互換性はありません。

物理的にもメモリの切り欠き位置が違っているので、DDR4のマザーボードにDDR5メモリは差せないようになっています。

メモリを取り付けるマザーボードは1つのメモリ規格しかサポートできません。

DDR4のPC(DDR4のマザーボード)を使っている人が、そろそろDDR5にするか … といってメモリだけ交換しても使えないので注意してください。

価格の違い

特に自作PCをしている人は気にした方が良いでしょう。

16GB x 2枚 計32GBの比較

メモリ価格メーカー
DDR4-32008,300円crucial
DDR5-480013,000円crucial
DDR5-520015,300円crucial
DDR5-560015,000円crucial
DDR5-600015,000円CORSAIR
DDR5-640017,000円CORSAIR
2023年8月調査

メーカーにこだわりが無ければもう少し安く買えますし、光るメモリだともっと高いです。

DDR5メモリの価格は発売当時よりかなり安くなったものの、DDR4も安くなってます。

けっこうな価格差があるので、効果が少なければDDR5に魅力を感じる人は少ないでしょう。

ただ、いずれこの価格差は少なくなると思われます。

電圧の違い

DDR4が1.2Vなのに対し、DDR5は1.1Vで動作するように設計されています。

実際にはオーバークロックされたメモリが主流です。

DDR5でも1.25Vとか1.35Vで動作する製品が多く、電圧の低さによるメリットは特にありません。

メモリクロックと帯域幅の違い

メモリには必ず転送速度を表す「DDR5-4800」「DDR4-3200」といった表記があります。

DDR5-4800の場合、メモリクロックが4800MHzで、1秒間に48億回のデータ転送が可能です。

メモリメモリクロックメモリ帯域幅
DDR4-26662666MHz21300MB/s
DDR4-32003200MHz25600MB/s
DDR5-48004800MHz38400MB/s
DDR5-52005200MHz41600MB/s
DDR5-56005600MHz44800MB/s
DDR5-60006000MHz48000MB/s
DDR5-64006400MHz51200MB/s
メモリクロックの8倍がメモリ帯域幅
単位はMHzではなく「MT/s」と表記されることがある

DDR5の方がメモリクロックが高いので、メモリ帯域幅も広いです。

BTOパソコンに採用されるDDR4-3200とDDR5-4800を比較すると、メモリ帯域幅は1.5倍も違います。

つまり、DDR5-4800の方が1.5倍ものデータを1秒間に転送できるということです。

理論上は、DDR5はDDR4より高速でデータ転送できるのが特徴となっています。

DDR5メモリがそれほど速くない理由

DDR5はクロックと帯域幅では圧倒的にDDR4より優れています。

しかし、データ転送を開始するまでの遅延(レイテンシ)が大きく、実際はそんなに速くありません。

メモリタイミング(CAS Latency)

メモリタイミングとは、データ転送の要求に対してメモリが応答するまでの時間のことです。(遅延/レイテンシ)

メモリの仕様をよ〜く見ると「36-44-44-96」などと書かれていることに気付くと思います。

最初の36がCAS Latency(CL)と呼ばれる値で、数字が小さいほど遅延が少ない高速メモリです。

しかし、CL値の大小だけで遅延時間が決まるわけではなく、クロック信号数によって実際の遅延時間は変わります。

実際の遅延時間(秒)=CL÷クロック信号数

例えば、DDR5-4800 CL40の場合

クロック信号数=48億÷2=24億
※DDRメモリは1回のクロック信号につき、2回のデータ転送を行う

実際の遅延時間=40÷24億=0.00000001667秒=16.67ns(ナノ秒)

つまり、データ転送開始の命令を受けても16.67nsの遅延が発生します。

1ナノ秒って10億分の1秒の世界なので人間が判別できる分けないのですが、長時間の大量データ処理で少しずつ違いが現れます。

CAS Latencyと遅延時間のまとめ

メモリCL遅延時間
DDR4-21331514.06ns
DDR4-32002213.75ns
DDR4-3200159.37ns
DDR5-48004016.67ns
DDR5-48003615.00ns
DDR5-52003413.07ns
DDR5-56003612.86ns
DDR5-60003612.00ns
DDR5-64003611.25ns
CL値は製品によって異なる

ここで注目してほしいのは以下の2つです。

  • DDR4の方がCL値が低い
  • DDR5-4800よりDDR4-3200の方が遅延時間が短い

なぜ新規格のDDR5の方が遅延時間が大きいかというと、簡単に言えばシビアな設計を求められるからです。

DDR5の方がメモリ帯域幅は広いけど、遅延時間が大きいので実際にはほとんど速度差はありません。

つまり、BTOパソコンに採用されるDDR5-4800とDDR4-3200なら、どっちを選んでもOK。

条件によってはDDR4-3200の方が速い事もあります。

DDR5があまり高速でない原因は、こんな理由があるからです。

DDR4-3200とDDR5-6400は2倍速度が違うのかというと、誤差レベルだそうです。

自己満足の世界ですね。(自己満足は大事!)

DDR5は2枚が基本|4枚だと遅くなる

DDR5の弱点はもう一つあって、メモリを4枚挿すとクロックが落ちます。

※すごく詳しい人なら4枚でも定格クロックで動作させる事は可能(リスクはある)

メモリ2枚4枚
DDR5-48004800MHz
(定格)
3600MHz
または
4000MHz
(速度低下)
DDR5-56005600MHz
(定格)
4800MHz
(速度低下)

多くのマザーボードは4枚までメモリを挿せるようになってますが、2枚で目的の容量にすることを推奨します。

おすすめは16GB x 2枚での運用。

32GBもあれば、ほとんどの人は不足を感じることはないでしょう。

逆に、4枚で運用しても速度差を体感できる人はいないので、まずは8GB x 2枚で使ってみて、容量が足りないと思ったらあとから2枚追加するのもありです。

その場合はメーカー、クロック、容量など、なるべく最初の2枚と同じものを探してください。

ゲーム性能チェック

tom’s HARDWAREよりデータを引用しました。

スクロールできます
DDR4-3200DDR5-4800
Assasin Creed
Valhara
96fps99fps
Far Cry 6130fps128fps
Ghost Recon
Break Point
108fps111fps
Watch Dogs
Legion
93fps96fps
Borderlands 3116fps116fps
Shadow of the
Tomb Raider
197fps200fps
Wolfenstein
Youngblood
223fps220fps
平均137fps138fps
割合100%
(基準値)
100.73%
解像度:フルHD

DDR4-3200とDDR5-4800の速度差は1%未満です。

ゲームによってはDDR4の方が速いこともあり、規則性はありません。

誤差レベルと言って良いでしょう。

次はメモリ別のパフォーマンス比較です↓

メモリフレームレート
DDR4-2133 CL1593fps
DDR4-3200 CL2296fps
DDR4-3200 CL1596fps
DDR5-4800 CL4099fps
DDR5-5200 CL3498fps
DDR5-5600 CL36100fps
DDR5-6000 CL3699fps
DDR5-6400 CL3698fps
アサシンクリードヴァルハラ/フルHD

理論上はクロックが高くてCL値が低いメモリであれば、良い結果を期待できます。

しかし実際は規則性が無く、高クロックなメモリを使っても体感できる差はありません。

メモリの使い方はアプリ(ゲームを含む)によって違います。

ゲームだとDDR4で十分な速度が出るので、DDR5にしても効果は無いです。

クリエイティブ性能チェック

tom’s HARDWAREよりデータを引用しました。

Premiere Pro 2022
Scripted Workload(Procyon)Score
数字が大きいほど速い
DDR4-2133 CL15
7616
DDR4-3200 CL22
7992
DDR4-3200 CL15
8025
DDR5-4800 CL40
8259
DDR5-5200 CL34
8164
DDR5-5600 CL36
8292
DDR5-6000 CL36
8206
DDR5-6400 CL36
8265

↑DDR5-6000よりDDR5-4800の方が良いスコア。

DDR4も健闘していて、特に規則性はないように見えます。

Photoshop 2022
Scripted Workload(Procyon)Score
数字が大きいほど速い
DDR4-2133 CL15
7402
DDR4-3200 CL22
7891
DDR4-3200 CL15
8121
DDR5-4800 CL40
7884
DDR5-5200 CL34
8048
DDR5-5600 CL36
8010
DDR5-6000 CL36
8004
DDR5-6400 CL36
8091

↑DDR4-3200 CL15が良いスコアです。

こちらも規則性はなく、微妙な結果。

Lightroom 2022
Scripted Workload(Procyon)Score
数字が大きいほど速い
DDR4-2133 CL15
10207
DDR4-3200 CL22
10922
DDR4-3200 CL15
10978
DDR5-4800 CL40
12195
DDR5-5200 CL34
12550
DDR5-5600 CL36
12420
DDR5-6000 CL36
12622
DDR5-6400 CL36
14735

↑DDR5-6400が良いスコアです。

アプリによってはDDR5の方が強いですね。

とはいえ、すべてのクリエイティブアプリでDDR5が強いわけでもなく、結果としては微妙だと思います。

実際にクリエイティブ系のアプリを使っていると、実行するタイミングや温度などで毎回結果が違うものです。

上記の結果は参考程度に見た方が良いでしょう。

実際に使ってみた感想

左からDDR5-6000MHz/5600MHz/5200MHz

私もDDR5メモリを使っているのですが …

悪くはないけど、良くもないメモリ

という感想です。

少なくともDDR4より性能が落ちることはありません。

ただ、本音は

DDR5の何が良いのかサッパリ分からない

です。

DDR5-6400でようやくクリエイティブ系の一部の処理が速くなるようです。

しかし、高クロックになればなるほどメモリ価格は高くなり、コストパフォーマンスは悪化します。

自作PCをやってる人なら高いお金を払って高クロックメモリを選ぶのもアリ。

※高クロックに対応したCPUとマザーボードが必要

BTOパソコンだと基本的にDDR5-4800になるので、メリットは何も無いです。

DDR5は見送って、いつか出るDDR6まで待った方が良いのでは?

というのが正直な感想です。

【まとめ】DDR5メモリの買い時はいつ?

これまでの歴史を振り返ると、古い規格のメモリは必ず市場から消えます。

DDR4もいつか手に入らなくなるでしょう。

AMDは2022年9月より発売したRyzen 7000シリーズでDDR5に乗り換え済み。

Intelは2024年10月に発売したCore Ultraシリーズで、ようやくDDR5のみのサポートとなりました。

Intel Core UltraシリーズはDDR 5のみのサポート

とはいえ、DDR 4なPCやマザーボードはすぐに販売終了にはなりません。

あと数年は販売され続けるでしょう。

私が思うDDR5メモリを買うタイミングは以下のとおりです。

  • DDR5を使ってみたい
  • 欲しいと思ったPCがたまたまDDR5だった
  • 欲しいと思ったマザーボードがDDR5だった

まとめると、急いでDDR5を選ぶ必要はありません。

今、DDR5メモリを買うなら安いDDR5-4800を選んで、浮いたお金でGPUを1ランク上げたほうが良いでしょう。

なお、ゲーミングPCの場合はそもそもメインメモリ(DDR4・DDR5)の選択がゲーム性能に与える影響は小さく、グラフィックボード上のGDDRメモリの方が圧倒的に重要です。

詳しくは記事冒頭の「ゲーミングPCはグラボのメモリ(GDDR)が重要」で解説していますので、メモリ選びで迷っている方はあわせてチェックしてみてください。

その方ががよっぽど体感できる効果があります。

以上、参考になれば幸いです。

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